スタッフブログ
小山市内の住宅塗装
2024.09.09
現場実況
さて、また新たな住宅塗装工事が始まりました。
劣化診断時にノンアスベストコロニアルの典型的な劣化症状がみられた為、図面の仕上げ表を確認させていただきました。そこには「コロニアルNEO」の表記が!
実際の屋根の様子
【コロニアルNEO】
クボタ株式会社(現:ケイミュー株式会社)より2001年頃に販売されたノンアスベストスレート屋根材になります。アスベスト含有率が1%を超える建材の使用が原則として禁止になる数年前に販売されたもので、強度がなく割れやすいため塗装には不向きです。
日本国内でアスベスト入りの屋根用化粧スレート材が使用禁止になるまでの概要は以下の通りです。
アスベスト関連規制の流れ
- 1950年代~1970年代:
- アスベストは広く建築材料として使用され、住宅用の化粧スレート屋根材や吹付け材などに採用されました。特にスレート屋根材は耐久性や防火性が評価され、人気のある材料でした。
- 1975年(昭和50年):
- 労働基準法に基づき、アスベスト粉じん作業についての規制が始まりました。ただし、この時点では一般建築材料としてのアスベスト使用は制限されていませんでした。
- 1987年(昭和62年):
- 環境庁(現・環境省)によって大気汚染防止法に基づく「アスベスト障害予防規則」が施行され、アスベスト使用に関する基準が強化されましたが、住宅用のスレート材の使用にはまだ制限がありませんでした。
- 1995年(平成7年):
- アスベストが健康に与える悪影響がより広く認識されるようになり、アスベストの含有量が5%を超える吹付け材の使用が原則禁止されました。
- 2004年(平成16年):
- 厚生労働省により、アスベスト含有率が1%を超える建材の使用が原則として禁止されました。これにより、アスベストを含む化粧スレート屋根材の製造・販売も大きく制限されました。
- 2006年(平成18年):
- 大気汚染防止法および労働安全衛生法の改正により、アスベスト含有率が0.1%を超える建材の使用が禁止されました。これにより、ほぼすべてのアスベストを含む建材が市場から姿を消しました。
- 2012年(平成24年):
- アスベストを含む建材の輸入・製造・使用が全面禁止となり、アスベストを含む化粧スレート屋根材も完全に使用禁止となりました。
このように、2000年代初頭からアスベストの規制が段階的に強化され、2012年にはアスベストを含む建材が全面的に禁止されました。
塗装の力だけで、このスレートの品質を向上させることは不可能ですので、このようなノンアスベストの屋根化粧スレート材の場合は、塗装ではなく屋根の葺き替えか、カバー工法をお勧めすることになります。因みに今回は金属系屋根材によるカバー工法です。